【語彙力を鍛える】知っていると差がつく言葉

独擅場

ある人にとって思いのままに振る舞い、活躍できる場面や場所のこと。

「擅」には独り占めにするという意味があります。

これを「壇」と書いて「独壇場」と読むこともありますが、意味はまったく同じです。本来は誤用ですが、徐々に定着しつつあります。

プラスポイント

類似の言葉に「ひとり舞台」があります。

禍根を残す

後々、大きな災難の要因となりかねない何かを残すことを言います。「禍根」とは幸せの根、災いの起こるもとをいいます。

このままでは禍根が残ることになる。といういうように、争いが終わった後、問題が解決した後でも不安要素が残っている場合に使います。

「禍根」と似た言葉に「遺恨」がありますが、こちらは根ではなく「恨」と書きます。後々まで残る忘れがたい恨みのことです。

プラスポイント

争いの原因を取り除くことを「禍根を断つ」といいます。

ご破算

それまで進めていた計画を白紙の状態に戻す事。また、すべて無駄になってしまうことをいいます。

「ご破算」とはそろばんで珠を払い、ゼロの状態にすること。そこから物事をゼロの状態に戻すことをいうようになりました。

ご破算には自発的な印象がありますが、外部からの要因で無駄になる場合には「台無し」を用います。

プラスポイント

「ごはさん」は「ごわさん」ともいいます。

及び腰

中腰になって手を前に伸ばし物を取ろうとする不安な姿勢のことです。

この頼りない姿勢にたとえて自信のなさそうな様子や遠慮をしている様子を言い表すようになりました。「へっぴり腰」も同様の意味の言葉でおならでもするかのような体勢が由来となっています。

プラスポイント

「及び腰」の「及ぶ」は遠くのものに手が届くという意味です。

糊口をしのぐ

食事をするのがやっとのようなぎりぎりの貧しい生活をすること。

「口を糊する」という言い方もあります。

「糊」は米から作られた「のり」だけではなく、「おかゆ」のことも指します。

「糊口」とはおかゆを口にすることで、おなかをふくらませ、何とか生活しているという苦しい様子を表しています。

同様の言葉に「口しのぎ」「口過ぎ」があります。また、貧しい生活を支える生活費のことを「糊口の資」といいます。

プラスポイント

ぎりぎりの生活をすることを「露命をつなぐ」ともいいます。

沽券に関わる

評判や品位、体面などに差し障りとなることを言います。

プライドが傷つけられそうな状況でよく用いられる言葉です。

「沽券」とは日本で古くから使われてきた土地や家などの売り出しを証明する書類、権利書のことです。

土地を売り買いした際の代金も書かれていたため、沽券は土地の価値を証明するものでもありました。

そこから、沽券は人の価値、品位などをあらわす例えにもつかわれるようになり、「沽券に関わる」という言葉が生まれました。

プラスポイント

同様の意味を持つ言葉に「面子に関わる」「示しがつかない」などがあります。

異を挟む

ある意見に対して疑問や別の意見を差しはさむことをいいます。似ている言葉に異を立てるや異を唱えるがあります。

「異」を使った慣用句はほかにあり「異とするに足りない」はそうなるのが当然でことさら驚くほどではないということです。

また、男女の結びつきは奇妙で思いもよらないものだという意味の言葉に「縁は異なもの味なもの」があります。この場合の「異」は別の物という意味ではなく普通とは違う珍しいものという意味です。

プラスポイント

不思議なことを指して「異なこと」といいます。

手元不如意

手持ちのお金が少ないこと。

暮らし向きが楽ではないことをいいます。「手元」とは手元にあるお金をいう意味。懐具合や暮らし向きのことを表しています。

そして「不如意」は自分んお思い通りにはならないということ。不本意な結果になることを「不如意な結果」などといいます。

プラスポイント

「如意」は思い通りになること。「西遊記」に登場する「如意棒」は持ち主の思い通りに伸縮し自在に扱える棒という意味です。

寡聞

知識に乏しくて見聞きする経験が少ないため、そのことを知らないという意味の言葉です。自分の見識が狭いことを謙遜する際に「寡聞にして」などと使います。

自分の知識の少なさや考えの狭さをへりくだっていう表現方法はほかにもあります。

「管見」は狭い見識という意味です。まるで細い管を通して見ているようだという意味で「菅」という字を使っています。見識が浅はかだという意味の「浅見」という言葉でもあります。

プラスポイント

「寡聞少見」も見識の狭さや世間知らずを謙遜する際に使う言葉です。