トンマナ崩壊の失敗事例とその改善法

デザインやブランド運用において、最も避けたいのが「トンマナ崩壊」です。
トンマナ(トーン&マナー)は、デザインや文章表現の一貫性を保ち、ユーザーに統一された印象を与えるための重要な要素です。
しかし、制作現場やSNS運用の中でトンマナが崩れると、ユーザーに「このブランド大丈夫?」という不信感を抱かせ、ブランド価値を下げる原因になります。
本記事では、実際によくあるトンマナ崩壊の失敗事例を取り上げ、その改善法を具体的に解説します。
トンマナ崩壊とは何か?
トンマナ崩壊とは、デザインや言葉遣いの統一感が失われ、ブランド全体の印象がバラバラになってしまう状態を指します。
たとえば「フォントが毎回違う」「広告とSNSで言葉遣いが違う」「配色がページごとに不統一」といったケースが典型的です。
トンマナ崩壊の失敗事例
事例1:配色がバラバラ
Webサイトのトップページはブルー基調、下層ページはグリーン基調、広告は赤系統といった具合に、媒体ごとに色がバラバラ。
ユーザーは「本当に同じブランドなのか?」と疑問を抱きます。
事例2:フォントの統一がない
見出しはゴシック、本文は明朝、次のページでは丸ゴシック……と統一感がなく、読み手の集中を妨げます。
事例3:SNSと公式サイトの印象が別物
Webサイトは高級感のあるデザインなのに、SNSではカジュアルな絵文字やポップな色使い。
顧客は「どちらが本当のブランドイメージなのか?」と混乱します。
事例4:コピーのトーンが不統一
広告では敬語を使っているのに、Webサイトではフランクな言葉遣い。
顧客に「ブランドの人格が定まっていない」と思われます。
事例5:複数の制作会社に依頼して崩壊
広告代理店ごとに制作を依頼した結果、バナー・チラシ・LPのトンマナがバラバラに。
内部でガイドラインがなかったことが原因です。
トンマナ崩壊による悪影響
- ブランドイメージの毀損(高級感・信頼感が消える)
- ユーザーの混乱(何を伝えたいのかが不明確になる)
- 認知度の低下(統一感がないため記憶に残らない)
- 制作コストの増加(毎回ゼロからデザインを作り直す羽目になる)
トンマナ崩壊を防ぐ改善法
1. デザインガイドラインを作成する
配色・フォント・アイコン・写真の使い方を明文化したブランドガイドラインを用意することが第一歩です。
参考:楽天ブランドガイドライン
2. コピーライティングルールを統一する
「ですます調で統一」「カジュアル寄りにする」など、言葉遣いの指針を設定します。
特にSNS・Webサイト・広告コピーで一貫性を保つことが重要です。
3. デザインテンプレートを作る
バナーやSNS投稿はテンプレート化することで、担当者が変わってもトンマナを維持できます。
4. 社内でチェックフローを導入する
納品前・投稿前に「トンマナチェック」を入れると崩壊を未然に防げます。
5. 外部パートナーとも共有する
外注先にガイドラインを渡し、必ず従ってもらう仕組みを作りましょう。
改善チェックリスト
- 配色がバラバラになっていないか?
- フォントが統一されているか?
- SNS・Web・広告でトーンが一貫しているか?
- 制作物にブランドガイドラインを適用しているか?
- 外部パートナーに共有しているか?
トンマナ改善に役立つツール
- Figma(デザインシステム管理)
- Google Material Design(UIガイドライン参考)
- Canva(SNSテンプレート作成)
まとめ
トンマナ崩壊は、ブランドにとって大きなリスクです。
配色・フォント・言葉遣いなど小さな乱れが積み重なると、ユーザーに「このブランドは一貫性がない」と見られてしまいます。
しかし、ガイドラインやテンプレート、チェックフローを導入すれば、トンマナを守ることは十分可能です。
デザイナーだけでなく、マーケティング担当者や経営層もトンマナの重要性を理解し、全社的に統一感を維持していくことが求められます。